
先週の土曜日、ムスリムの人々にとって大切な行事「レバラン(断食明け大祭)」がありました。
イスラム教には、「ラマダン(断食)」という一か月間の宗教行事があります。
日の出から日没まで飲食を控え、夜明け前と日没後に食事をとるという生活を続けます。
ただし、妊娠中の女性、子ども、病気の方、体力のない高齢者、旅人、重労働者などは免除されます。
そのため、日本で働く技能実習生の多くは、体調や仕事への影響を考えて断食を行わず、通常どおり過ごすことが一般的です。
今年のラマダン期間は 2月18日〜3月19日、そして 3月20日 が断食明けの大祭「レバラン」でした。
ラマダンは「精神修行の月」。
レバランは「その達成を祝うお祭り」。
一か月の節制を乗り越えたことへの感謝と喜びを分かち合う日で、
家族と過ごしたり、そのために帰省したり、ご馳走を囲んだり、家族で先祖のお墓参りに行ったりと、 心が満たされる時間になります。
日本で言えば、
「盆と正月とクリスマスが一度に来るような日」
と表現できるほど、家族・宗教・ご馳走・帰省が一気に重なる特別な日です。

3月21日、インドネシアの実習生たちが集まり、レバランを祝って大ご馳走を作りました。
メイン料理は 「オポール・アヤム」。
鶏肉をココナッツミルクで煮込んだ、インドネシアの伝統的な家庭料理で、
辛くないグリーンカレーのような優しい味わいが特徴です。
異国の地で働く彼らにとって、仲間と囲むこの料理は、
きっと故郷を思い出す温かいひとときになったに違いありません。
レバランの素敵なところは、
“人間関係をリセットし、お互いを許し合う日”であることです。
ですから、インドネシアではレバランの日にこの言葉であいさつをしあいます。
「Mohon maaf lahir dan batin」(モホン・マアフ・ラヒル・ダン・バティン)
直訳すると、
「(私の)身体のことも心のことも、どうか許してください」
一年の間に、知らず知らずのうちに誰かを傷つけてしまったかもしれない。 それは、人間ならば、誰しもあることです。 私もあなたも同じですね。
意識していたことも、気づかずにしてしまったことも、
すべて含めてお互いに許し合い、また新しい一年を始める──
とても深く、美しいメッセージです。

会話文例
A: Selamat Lebaran! (レバラン、おめでとう!)
B: Selamat Lebaran. Mohon maaf lahir dan batin ya.(レバラン、おめでとう、いろいろ許してくださいね。) A: Sama-sama. Mohon maaf lahir dan batin.(こちらこそです。いろいろ許してください)
旧年中の自分の行いについて振り返り、頭を下げて、引き続きの関係をお願いし合うのですね。 上下関係ではなく、「お互い様(Sama-sama!)」という文化。
日本文化とは違うかもしれないけれど、ここに流れる気持ちの触れ合いは、私たち日本人にも共感できることですよね。お話を聞いて、私はとても温かい気持ちになりました。 レバランは宗教行事だけではなく、人と人がもう一度つながり直すための大切な日なのだと感じたのです。
美味しい特別なご馳走を食べ、語り合い、仲間たちとの絆を深めた彼らは、 気持ちを新たにして、仕事にも学習にも邁進していくことでしょう。 頑張ってくださいね!